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「段取りで8割決まる。」
仕事をしていると、いつも感じることがあります。
それは、仕事の良し悪しは、始まってからではなく、始まる前にかなり決まっているということです。
うまく進む仕事というのは、進め方が特別うまいというより、事前の確認や準備、連絡がしっかりできていることが多い。
逆に、途中でバタつく仕事というのは、始まってから問題が起きているように見えて、実はその前の段取りに原因があることが少なくありません。
経営をしていても、日々の仕事を見ていても、私はいつも「段取りで8割決まる」と感じています。
仕事というのは、始まってから頑張れば何とかなるように見えて、実際にはそうならないことも多いものです。
もちろん、途中での判断力や対応力は大事です。
ただ、本当にスムーズに進む仕事というのは、始まる前の段階でかなり整っていることが多いと思います。
何をやるのかが明確になっているか。
誰が何を担当するのか決まっているか。
必要なものはそろっているか。
相手との認識にズレはないか。
優先順位は整理できているか。
問題が起きそうなポイントを事前に想定できているか。
こういう当たり前のことが、きちんと整っているかどうかで、その後の流れは大きく変わります。
段取りが良い仕事は、無駄が少ないです。
余計な確認が減る。
やり直しが少ない。
人の動きもスムーズになる。
結果として、仕事の質も上がりやすいし、周りとの関係も上手くいきやすい。
私は、仕事がうまくいくかどうかは、能力だけでなく、この“始まる前の段取り”でかなり差が出ると思っています。
逆に、段取りが甘いと、途中でどれだけ頑張っても苦しくなります。
話が伝わっていない。
役割が曖昧。
必要なものが足りない。
優先順位がはっきりしていない。
こうなると、本来しなくていい確認や調整がどんどん増えていきます。
そして、仕事そのものよりも、“仕事を回すための対応”に時間とエネルギーを取られてしまいます。
私は、仕事ができる人というのは、単に処理が速い人ではないと思っています。
むしろ、始まる前にどれだけ先を読めるか、どれだけ準備できるかに、その人の仕事力がよく出るように思います。
起きてから対応するのではなく、起きそうなことを先に考えておく。
足りなくなってから動くのではなく、先にそろえておく。
相手が困ってから対応するのではなく、困らないように先に整えておく。
こういう力がある人は、やはり周りから信頼されます。
これは日々の業務だけでなく、経営そのものにも言えることだと思います。
採用も、教育も、人の配置も、利益管理も、問題が起きてから動くだけでは後手に回りやすい。
人が足りなくなってから慌てる。
辞めそうになってから関わる。
数字が厳しくなってから見直す。
もちろん必要な対応ではありますが、本当に大事なのは、その前にどこまで段取りできていたかだと思います。
※書いている私自身も、耳が痛くなるような内容ですが(笑)
経営をしていると、目の前の対応に追われることがたくさんあります。
ですが、毎日がその場しのぎになってしまうと、会社はなかなか安定しません。
安定している会社、仕事が強い会社というのは、派手なことをしているというより、見えないところの準備や調整を丁寧にやっている会社だと思います。
段取りというのは、あまり目立ちません。
むしろ、うまくいっているときほど、その良さは表に出にくいものです。
問題なく仕事が終われば、それが当たり前のように見えてしまう。
でも、本当はその“当たり前”をつくっているのが段取りです。
だから私は、会社の中でも、目に見える成果だけでなく、
事前に準備してくれていること、
流れを整えてくれていること、
先回りして考えてくれていること、
そういった部分をもっと大切に見ていきたいと思っています。
人材育成でも同じです。
技術や知識を教えることはもちろん大事ですが、それと同じくらい、
「始める前に何を確認するか」
「どこを見て準備するか」
「何を想定しておくべきか」
を教えることが大切だと思います。
実務そのものは経験で上達していきますが、段取りの感覚は、意識して育てないとなかなか身につきません。
仕事で差がつくのは、実は始まってからではなく、その前です。
そして、その差は小さく見えて、積み重なるほど大きくなります。
ひとつひとつの仕事をスムーズに進められる会社は、信頼も積み上がります。
社内の連携も良くなります。
結果として、お客様からも「安心して任せられる会社」と思ってもらいやすくなるはずです。
私はこれからも、仕事の質を上げるために、技術や経験だけでなく、段取りの力をもっと大切にしていきます。
目の前の作業をこなす力も大事。
でもその前に、仕事がうまく進む流れをつくる力は、もっと大事です。
やはり、仕事は始まってから頑張るだけでは遅い。
始まる前にどれだけ整えられるか。
そこが、仕事の質を大きく左右するのだと思います。
仕事で慌てないために必要なのは、その場の対応力だけではなく、始まる前に整える力なのではないでしょうか。