BLOG ブログ
会社型組織とコミュニティ型組織は、リーダーの役割がまったく違う
組織をまとめる立場になると、つい「人をどう動かすか」「どうすればまとまるか」を同じ考え方で捉えてしまうことがあります。
しかし実際には、会社として動く組織と、共感や学びでつながる組織では、成り立ちも、動く理由も、リーダーに求められる役割も大きく違います。
ここを混同すると、組織運営はうまくいきません。
逆に言えば、その組織が何によって成り立っているのかを見極めることができれば、リーダーの動き方も見えてきます。
今回は、私があるセミナーに参加し、そのセミナーでグループリーダーとして実際に経験して学んだことについて、調べて勉強しましたので内容の共有をさせていただければと思います。
会社型組織は、役割とルールで動く
まず、会社型組織についてです。
これは、給料が支払われ、役割が与えられ、評価があり、ルールの中で動く組織です。
会社のような組織は、組織論でいうと功利組織(utilitarian organization)と言われたりします。
ある海外の社会学系の公開教材では、こうした組織は、目的達成のために役割や規則が整理されたフォーマルな組織として説明されています。
会社で働く以上、「何をするのか」「どこまで責任を持つのか」「どのように評価されるのか」が明確であることが前提になります。
つまり会社型組織では、気持ちだけでは回りません。
誰が何を担当し、どこに向かい、どんな基準で判断されるのか。
そうした仕組みの明確さが、組織を動かす土台になります。
会社型組織でリーダーに求められること
このような組織でリーダーに求められるのは、まず目標を明確にすることです。
何を優先するのか、どこを目指すのかが曖昧なままでは、現場は動きにくくなります。
次に必要なのが、役割分担をはっきりさせることです。
誰がやるのか分からない仕事は、結局できる人に集まり、属人化や不公平感を生みます。
会社型組織では、善意よりも設計のほうが重要になる場面が多いのです。
さらに大切なのが、信頼をつくることです。
ある国内の組織論に関する論考でも、組織は契約や制度だけでなく、信頼を土台にした関係性によってより良く機能すると論じられています。
ルールだけで人を動かそうとすると、最低限の行動しか生まれません。
一方で、信頼がある組織では、必要な一歩を自発的に踏み出しやすくなります。
会社型組織のリーダーは、単に指示を出す人ではありません。
目標を示し、役割を整え、安心して動ける状態をつくる人です。
コミュニティ型組織は、共感と学びで動く
一方で、コミュニティ型組織は少し性質が異なります。
こちらは、給料や評価だけでつながるのではなく、共感、関心、学び、目的意識によって人が集まる組織です。
規範的組織(normative organization)や自発的組織(voluntary organization)と言われたりしますが、その集まりが、単に人が集まるだけでなく、継続的に交流しながら知識や実践を深めていく場であれば、実践共同体(Community of Practice)と言われるようです。
ある実践共同体の解説では、こうした集まりは、共通の関心や課題を持つ人たちが、継続的な関わりの中で学び合い、より良いやり方を育てていく場として説明されています。
つまり、そこにいる理由は「命令されたから」ではなく、「そこにいる意味があるから」です。
社内の勉強会、職人同士の知恵の共有、若手同士の学びの場、同じテーマに関心のある人たちの集まりなどは、こうしたコミュニティ型に近いものです。
このタイプの組織は、管理しすぎると弱くなります。
なぜなら、自発性や対話、参加したくなる空気が失われるからです。
コミュニティ型組織でリーダーに求められること
コミュニティ型組織でまず大切なのは、意味付けです。
何のために集まるのか、ここで何を大切にするのか、その場に参加する価値は何か。
それが見えないと、人は続きません。
次に必要なのが、参加しやすい場の設計です。
発言しやすい雰囲気があるか、初心者でも入りやすいか、知っている人だけで固まっていないか。
こうした設計ができていないと、コミュニティは一部の人だけの閉じた集まりになってしまいます。
そしてもう一つ重要なのが、ファシリテーションです。
コミュニティ型組織のリーダーは、前に立って引っ張るというより、対話が生まれるように整える役割が大きくなります。
自分が全部答えるのではなく、人と人がつながり、知恵が循環するように支えることが求められます。
つまりコミュニティ型のリーダーは、管理者というより、場を育てる人です。
この2つを混同すると、組織はうまくいかない
問題は、この2つの組織を同じ感覚で扱ってしまうことです。
たとえば本来、会社型組織として明確に役割を決めるべき場面で、「みんなで主体的に考えよう」と曖昧にしてしまうと、責任の所在がぼやけます。
結果として、動く人と動かない人の差が広がり、不満が生まれます。
逆に、本来自発性を大切にしたいコミュニティ型の場で、出席、発言、成果を細かく管理し始めると、参加する意味が薄れてしまいます。
「やらされている感」が強くなれば、場は一気に冷えます。
つまり、会社型組織に必要なのは管理の弱さではなく、適切な設計であり、コミュニティ型組織に必要なのは管理の強さではなく、意味と関係性の育成です。
ここを逆にすると、どちらも中途半端になります。
大事なのは、「何で動く組織なのか」を見極めること
経営や組織づくりで大切なのは、理想論を語ることではなく、この集団は何によって動いているのかを見極めることです。
給料、評価、責任、役割で動く組織なのか。
それとも、共感、学び、目的意識で動く組織なのか。
あるいは、両方の要素を持っているのか。
その見極めができれば、リーダーの動き方も変わります。
会社型組織なのに、曖昧な空気に頼りすぎてはいけません。
コミュニティ型組織なのに、命令と管理で縛りすぎてもいけません。
リーダーの仕事は、人を同じやり方で動かすことではなく、組織の本質に合わせて、必要な関わり方を選ぶことなのだと思います。
まとめ
今回の内容は、私の経験を元に書きましたが、私は最初、この2つの組織のリーダーシップの取り方を一緒にしていました。
ところが、全く上手くいかなかったのです。
そこで、なぜ上手くいかなかったのか調べてみると、この2つの組織は、全くリーダーシップの取り方が違うということに気付きました。
会社型組織は、仕組みや役割で動きます。
だからこそリーダーには、目標設定、役割分担、信頼構築が求められます。
コミュニティ型組織は、共感や学びで動きます。
だからこそリーダーには、意味付け、参加しやすい場の設計、ファシリテーションが求められます。
同じ「組織」でも、動く原理が違えば、リーダーの役割もまったく違います。
ここを見誤ると、頑張っているのに組織が噛み合わない状態になります。
だからこそ、まず考えるべきなのは「この組織は、何によってまとまっているのか」ということです。
そこが見えてくると、リーダーシップの取り方も、組織の育て方も、自然と変わってくるはずです。