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組織は結局コミュニケーションで変わる
会社を経営していると、
「もっと主体的に動いてほしい」
「何度言っても、なかなか伝わらない」
「チームとして、もう少しうまく噛み合ってほしい」
と思うことがあります。
でも、そういう場面でいつも感じるのは、組織の問題は能力だけの問題ではなく、コミュニケーションの取り方の問題でもあるということです。
優秀な人がいても、伝え方がズレていれば動きません。
真面目な社員がいても、受け取り方がバラバラなら、結果は安定しません。
逆に言えば、コミュニケーションの質が変わると、組織の空気も、仕事の進み方も変わってきます。
「知っている」と「できる」は違う
仕事を教える立場にいると、つい
「前にも言ったよね」
「それは知っているはずだよね」
と思ってしまうことがあります。
でも実際には、人は
・知る
・理解する
・やってみる
・できるようになる
という段階を、一段ずつ上っていくものです。
知識として聞いたことがあるのと、実際にできることの間には、思っている以上に差があります。
ここを飛ばしてしまうと、教える側は「なぜできないのか」と感じ、教わる側は「分かっているのに責められている」と感じてしまいます。
部下育成で大事なのは、
まだ知らないのか、
意味は分かっているけれど行動に移せていないのか、
やってはいるけれど習慣になるまで至っていないのか、
その段階を見極めることなのだと思います。
組織の空気は、上に立つ人の状態に左右される
これは耳が痛い話ですが、組織の空気は、社長や幹部の状態にかなり引っ張られます。
上に立つ人がいつもピリピリしていれば、社員は必要以上に萎縮します。
逆に、落ち着いていて、話しかけやすい空気があれば、相談も報告も早くなります。
忙しいと、つい余裕がなくなります。
イライラしたり、表情が硬くなったり、言葉がきつくなったりすることもあると思います。
でも、その不機嫌がそのまま組織に流れると、チーム全体の力を落としてしまいます。
だからこそ、経営者やリーダーに必要なのは、ただ我慢することではなく、自分の状態を自分で整える意識だと思います。
自分の機嫌を自分でとることも、立派なマネジメントの一つです。
笑顔や挨拶は、ただの感じの良さではない
笑顔や挨拶というと、礼儀や印象の話のように思われがちです。
でも実際には、それ以上の意味があります。
笑顔は、相手に「安心していい」「敵意はない」という空気を伝えます。
挨拶や声かけも同じです。
特別な話をしなくても、日常の中で感じよく関わることが、信頼の土台になります。
会社の中で本音が出るかどうかも、結局はこういう日常の空気に左右されます。
立派な制度より、朝の一言や、すれ違ったときの表情のほうが、実はよほど効いていることがあります。
だから私は、笑顔や挨拶は「できたほうがいいこと」ではなく、組織を良くするための基本動作だと思っています。
「ちゃんとやって」は、伝えたことになっていない
仕事の指示でありがちなのが、
「ちゃんとやっておいて」
「早めにお願い」
「しっかり確認して」
という言い方です。
言っている側は伝えたつもりでも、受け取る側からすると、かなり曖昧です。
ちゃんと、とはどこまでなのか。
早め、とは何時なのか。
しっかり、とは何を何回確認することなのか。
ここが人によって違うから、ズレが生まれます。
組織の中で起こるすれ違いの多くは、能力不足というより、こうした曖昧さから起きているように思います。
だから本当は、
・いつまでに
・何を
・どの水準で
・終わったらどう報告するのか
まで、できるだけ具体的に伝えたほうがいい。
厳しくするためではなく、迷わせないためです。
分かりやすい指示は、管理というより、むしろ優しさだと思います。
人を責めるより、行動を見たほうが組織は良くなる
指導をするときに難しいのは、感情が入ることです。
何度も同じことが続くと、つい
「やる気がない」
「向いていない」
「なんでこんなこともできないのか」
と言いたくなることがあります。
でも、こういう言葉は相手の人格に向いてしまいます。
人格を責められると、人は改善より防御に入ります。
結果として、関係も悪くなり、成長もしづらくなります。
大事なのは、人格ではなく行動や事実に目を向けることです。
遅刻した。
報告が抜けた。
確認が不足していた。
変えるべきなのは、そこです。
人を潰すような叱り方ではなく、次の行動が変わるような伝え方をしたほうが、組織は長い目で見て強くなります。
聴き方ひとつで、社員の反応は変わる
経営者や上司は、どうしても「伝える」ことに意識が向きます。
でも実際には、話し方以上に聴き方のほうが大事な場面があります。
ちゃんと顔を向けて聞く。
途中で否定しない。
まず一度受け止める。
「なるほど」
「そうか」
「それは大変だったね」
と返す。
それだけでも、相手は話しやすくなります。
逆に、最初から
「でも」
「いや」
「それは違う」
と返されると、そこで会話は止まります。
現場で本音が出なくなる会社は、案外こういう小さな反応の積み重ねでできているのだと思います。
組織を良くするためには、正しいことを言う力だけでなく、相手が話せる空気をつくる力も必要なのだと思います。
まとめ
組織は、制度だけでは動きません。
人が動く以上、最後はやはりコミュニケーションです。
・知っていることと、できることは違う。
・上に立つ人の状態が、組織の空気に影響する。
・笑顔や挨拶が安心感をつくる。
・曖昧な言葉がズレを生む。
・人格ではなく、行動を見る。
・そして、伝える前に、まず聴く。
どれも特別なテクニックではありません。
でも、こういう基本ができている会社のほうが、結局は強いのだと思います。
組織を変えるというと、大きな改革を考えがちです。
けれど実際には、
日々の声かけ
表情
聴き方
伝え方
そうした小さなコミュニケーションの積み重ねのほうが、少しずつ会社を変えていくのかもしれません。